2016-03-05
お父様の遺品整理のご依頼で出張買取に伺いました。
書棚を拝見すると哲学書の揃いものが目に留まります。宅配を利用する買取を申し込んだところ、ISBNバーコードがついていない本は買取りできないと断られてしまったそうです。
なぜバーコードがない本を買取拒否にするかというと、そのシステムの古書店では買取った本をバーコードリーダーで読み取り、Amazon等のネット販売価格のデータをもとに査定金額を導き出すという方法を取っているからです。
全く経験がないアルバイトスタッフでもすぐに査定できるようになるため非常に合理的なシステムです。
しかし、何ごとにも長所があれば短所もあります。
バーコードで管理できない書籍を扱うのに手間やコストがかかるため、そのような本を除外するしかないのです。
これは大変もったいないことですね。今回買取させて頂いた本には全部バーコードどころかISBNコードも印字されていません。ですが当店で何度も取り扱ってきた定番の揃いものです。最近になって新版が出ているものもありますが、旧版でも需要があるものばかりです。
当店ではバーコードが有るものも、無いものも、本の体裁にすらなっていないものも取り扱えます。Amazonやヤフオクでも販売していますが、自店で販売しないものも
「埼玉古書組合の交換会に持って行ったら◯◯書店さんが欲しがるだろうな」とか
「△△堂さんが目録に載せる本を探していたから喜んでくれるかも」とか
「神田の交換会に持って行ったら専門店が驚くような入札価格を入れてくれるだろう」とか頭に思い浮かべて査定価格をご提示しています。
自分のお店の都合だけではなく、もうちょっとだけ広い視野で査定することが出来ます。
では松尾堂のやり方の短所はなんでしょうか。
それは、査定できる人間が店主の私だけ、ということです。
3月から4月は新しい生活が始まる季節です。
引越や部屋の片付けなどで本が大量に整理される時期です。
ご希望の日程が重なってしまうとお伺いするのが難しくなるかもしれません。
このシーズンの出張買取は早めのご予約をお薦めします^^