「お金はいりません。たぶん価値なんてないような古臭い本や漫画があるので引き取ってもらえませんか?」とお電話を頂き訪問しました。
近々リフォーム予定のため、しまいこんでいた本を整理しようとしたら思いのほか量が多く途方に暮れていたそうです。みかん箱で10箱あり、これを2階から下ろすだけでも一苦労です。
30年ほど前のベストセラー系の文庫や単行本が多く、一見お値段をつけるのは難しそう。諦めかけそうになりながら最後の1箱を開けてみるとちょっとしたお宝が顔を出しました。
どおくまんの『暴力大将』です。傷みがあり多少難がありますが全巻揃っています。40年も前の漫画ですが、Amazonでのレビューを見てもかなりの高評価。電子書籍化されているにもかかわらずここ数年の中古価格も高止まりしています。
実は私も10年以上前に読んだことがあり、面白くて徹夜で一気読みした記憶があります。その当時は今の中古価格の1/3程度で手に入れることができたような気がするのですが、古本相場全体が右肩下がりの中、入手困難のためか、あるいは再評価されているためか珍しい存在です。
ご依頼人に「これだけでも来た甲斐がありましたよ」とお伝えすると、「本を捨ててしまうのは忍びないので少しでもどなたかが喜んでもらえるなら良かったです」と、ホッとしたような表情をされていました。