2016-12-12
「文学の本が文庫で400冊、単行本で50-60冊ほどあるのですが出張買取に来て頂けますか?」
というお電話を受けました。
どのような本をお売り頂けるのか質問すると、普通は文学関係なら「小説」や「エッセイ」「評論」というような表現をされたり、具体的な作家の名前が挙がります。または「文学全集」とご説明を受けることも多いのですが、「文学」という括りで説明されるのは初めてかもしれません。ご自宅に伺う前からどんな出張買取になるのかちょっと楽しみでした。
玄関で出迎えていただいたのは若い男性。お電話の主です。2階の部屋に案内されるとベッドスペース以外の床全体に沢山の本が並べられています。とてもきれいな本ばかりです。
「なぜ本を手放すんですか?」
「もう本棚に入り切らなくなってしまって、どうしても手放したくない本以外を買取ってもらおうと思ったんですよ」
買取ご希望の本を確認すると、床に並んであるものだけで本棚に納まっているものは対象外。本棚を見ると良い本がずらりと並んでいます。
奥と手前に2重に納められていて、手前には講談社文芸文庫や岩波文庫がきれいに並んでいます。
「どうしてうちに声をかけていただいたんですか?」
「インターネットで調べていたとき、吉田健一著作集を出張買取したときの記事を見つけたんです。それで松尾堂さんをお呼びしました。」
文庫が並んでいる左の棚には確かに吉田健一の単行本がたくさん並んでいます。
ご依頼人は文学部の学生さんで、アルバイトも大手の古本チェーン店や図書館を選ぶほどの本好きな方。大学でも熱心に研究されているご様子。
「文学部なのに他のみんなはそれほど文学に興味がないみたいで、私の方がちょっと変わっているみたいです」
これには耳が痛いです。
私も文学部卒なのですが、在学中はまじめに学問をしていたとはとても言えません。古本屋になるなんて思ってもいませんでしたが、こういう仕事をするのであればもっときちんと勉強しておけば良かったと思うことが(たまに)あります。
今回お譲りいただいたのは・・・
世界幻想文学大系、江戸川乱歩全集、日本文学100年の名作、エッセイ、評論、現代文学作品、翻訳小説やコミックの『東京喰種』、あらゐけいいち『日常』の全巻セット、吉田健一著作でダブって購入してしまった本など500冊弱。どの本も大変状態が良いです。
ご依頼人が足繁く通われている都内の古書店さんのお話や大学生活のお話などを伺いながら搬出作業を行い積込み完了。
「また本棚から本が溢れたらぜひお呼び下さい」
とお願いしご依頼人宅をあとにしました。
松尾堂では皆様のお宅まで本・雑誌・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・三芳町・川越市・新座市・東大和市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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