2016-05-14
「松尾堂さん、私のファイナルの日程を決めましょうか。」
お電話の第一声だけでは何となく不吉な印象を受けますが、こちらのご依頼人は1年がかりで蔵書をお譲り頂いた方で次で6回目。いよいよ残りの蔵書の出張買取日を決めましょう、という意味になります。
鉄鋼に関係したご職業だった方で、今までお譲り頂いた本も鉄に関連する専門書を大量に所有されていました。毎回約200冊ずつを買取りしており、買取金額も合計してみるとかなりの数字になります。
いつも良い本ばかりですが、今回はフィナーレを飾るのにふさわしいような本が並んでいます。天ぷらの盛り合わせ定食で一番最後に大きな海老天がお皿に残っている状態、といえばイメージが伝わるでしょうか。
日本刀や鉄砲、大工道具など鉄や金属加工に絡んだ本が多く、全体的に良い本ばかり。画像にはありませんが貴重な資料などもお譲りいただき買取金額の方も過去6回のうち最高額になりました。
「あなたのおかげで書庫がきれいになったよ、ホントにありがとね」
「また少しでも本がたまったらいつでも呼んで下さい」
「いやぁ、もうさすがに本は買わないだろうなぁ」
と笑っていらっしゃいましたが、そんなに遠くないうちに呼び出しの電話を頂くような気がします。
非常に丁寧にお見送りいただき、ご依頼人宅を後にしました。