2016-05-16
「今月末に引越があるかもしれないので本を処分したいのですが来て頂けますか?」
どんな本があるのかお尋ねするととにかく文庫の新しいところから古いところまでたくさんあるというお話。他にもいろいろ本があるというのでとにかく拝見しましょう、ということになり即日お伺いしました。
マンションの一室を訪問するとご依頼人と旦那さんが書斎へと招き入れてくれます。スライド式の書棚が3棹。このうちの1棹と床に山積みされている本を整理したいというご希望。
お電話の様子では文庫と言っても古い小説が多いのではないかと想像していましたが、スライド式の手前の棚にはピカピカの文庫がぎっしり並んでいます。
「思っていたよりも良い本があるかもしれないぞ」と心のなかでつぶやきながら徐々に査定に熱が入ってきます。スライド棚の奥には古い単行本が並んでいますが、なかなか面白そうなものも混ざっています。
「良寛の本が結構ありますね、このあたりはまとまっているので面白いかもしれません」
「卒業論文のテーマだったんですよ。当時は買い集めるのに苦労しました」
などと古書を通してむかし話に花が咲きます。
床の上にはサザエさんといじわるばあさんの文庫全巻セットがありました。かなり状態が良く、欲しい人はすぐに見つかりそうです。
「こんなのも持って行ってもらえるかな?」
旦那さんが差し出してきたのは古い洋書。なかなか面白そうです。
ニューヨークでお店を7年ほど任されていた時期があり、そのときに集めたコレクションであるとのこと。
蔵書のバリエーションが豊富で楽しい査定作業でした。
ご提示した金額もまとまった金額になりました。
ご依頼人と旦那さんからは
「これでようやく動けるようになり、整理しやすくなりました」
と喜んで頂けました。