2016-05-12
当店の事務所は住宅地と畑と雑木林の境界上に位置しており、春にはウグイスが鳴き、今の季節であればシジュウカラやコジュケイのリズミカルな歌声が聞こえ、メスを求めてでしょうかキジの切なげな鳴き声が時おり聞こえてくるような、なかなか風情のある場所です。
今日は出張買取のご依頼もなく、車の荷台に腰を掛け、青く澄み渡った空を見上げながら「今日は朝からやけにコジュケイが元気だなぁ」などとのんびりしていた昼下がりに電話がなりました。
「整骨院をやっているのですが移転のために待合室のコミックなどを引き取ってもらえないでしょうか?」
出来るかぎり早いほうが良いとのことでしたので
「これからすぐに駆けつけます!」
と、おっとり刀でご指定の場所に駆けつけました。
ちょうどご予約の患者さんもいない時間帯で、ご依頼人が応対してくれました。
「患者さんや知人に”欲しい本があれば持って行って下さい”と言ったんですが誰一人持って行ってくれなかったんですよ。ヤケもあって状態もよくはないですからお金はいりません。もし良ければ片づけて頂けませんか?」
とのこと。
日の当たる待合室にずっと置いてあるようなコミックですからヤケがあるのはしょうがないですが、無料であげると言われても誰も持って行かないとは古本屋としてはちょっと寂しいところ。
『鋼の錬金術師』や『MONSTER』『テガミバチ』『3月のライオン』『コジコジ』『きょうの猫村さん』などが揃っているのに。。。
他にもご依頼人の個人所有の本も合わせて無料片付けを引き受けました。
ご依頼人は一気に片付いて喜んでもらえましたが、量はそれほど多くはないとはいえ片づけで貰ってしまうのは申し訳ないと思っていたところ
「実はこの整骨院が一段落したら自宅の方にも本があるので来て頂けませんか?」
と重ねてのご依頼。聞けばご自宅もこの近くだそうです。
「それでしたら今度はしっかりと買取りさせて頂きます。今日頂いた分も考慮して査定を頑張りますよ!」
と次回の買取の約束を頂きました。