2017-05-30
「父と私の蔵書が1,000冊以上あると思います。全部引き取ってもらいたいので来てもらえませんか?」というお電話を頂きました。
ご住所を伺うと私の自宅から徒歩で10分ほどの場所。かつてデベロッパーが開発した分譲戸建て団地で、友人が多く住んでいたため小学生の時分はよく遊びに行った地域です。
「なつかしいな、共通の知り合いがいるかもしれないな」と思いながらご依頼人宅に到着しました。
広いエントランスでにこやかなご依頼人夫婦と、人懐っこいワンコ(シェルティー)にご挨拶し、書棚のある部屋に通して頂きます。
壁一面に設置された本棚とその天板の上には本がギッシリ。床の上にも平積みになっています。
本棚は3連スライド式になっており、見かけ以上に本があります。
(画像の使用許可を頂いております)
端から順に本を拝見していくと東南アジアに関する専門書などが充実しています。
「このあたりは面白いものが多いですね」
「父が新聞社に勤めていて特派員として東南アジアに赴任していたんですよ。その時のものですね」とご説明を受けました。
ご依頼人ご夫婦もお仕事で外国に20年以上滞在していて、この家は「父の家」という感覚であまり愛着があるわけでもないとか。
「私自身は都内で生まれ、幼いころは私立の学校に通ったり、両親と一緒に東南アジアで生活したり、社会人になるとやはり外国暮らしが長かったので根なし草という気持ちが強いんです。ですからこの家に住み続けるという理由もなく、近々転居を考えているんですよ。小学生や中学生時代の思い出の場所がある松尾さんが羨ましいです」
としみじみおっしゃるご依頼人。
私は会社員時代10年ほど地元を離れて国内外のあちらこちらで暮らしていたことがあり、どこも「住めば都」でそれなりに満足できる生活でした。それでもどこにいても「何となくアウェイ気分」を感じており、上の子どもが小学校に上がるタイミングで地元所沢に戻ってきた経緯があります。
私が感じていた「何となくアウェイ気分」のもっと強いものがご依頼人がおっしゃる「根なし草」なのかもしれません。
そんなお話しをしながら査定を続けます。
中公文庫や朝日文庫、岩波文庫などの堅い内容の本が多く、古い本ですが需要はあるものが結構あります。
全部チェックし終わり査定額をご夫婦にお伝えすると、びっくりしてお互い目を見合っていらっしゃいます。
「全部整理して頂いて、お金まで頂けるとは思ってもいませんでした」
と奥様が目を丸くされています。
買取代金をお支払し、本を運び出します。この日は5月だというのに気温が30度を超える真夏日。息が上がってきたところで、奥にいたシェルティーがトコトコと私の側に寄ってきてじっと見ています。
「こんなに長い毛だと今日は暑いでしょう?」と話しかけながらしゃがみこんで両手でなでてあげると喜んでくれておおはしゃぎ。
ご依頼人が
「これこれ、邪魔しちゃダメだよ!すみませんねぇ」とワンコを抱きかかえる様子を見て暑さも疲れも忘れさせてもらいました。
暑さがいちばんひどくなる時間帯の前に本を運び出し終わりました。
「うわぁ、おかげできれいになりました。ありがとうございます!」
と特に奥様に喜んで頂けました。
松尾堂では皆様のお宅まで本・雑誌・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・ふじみ野市・三芳町・川越市・新座市・志木市・富士見市・東大和市・武蔵村山市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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