2017-10-01
お母様のご遺品の整理の依頼を受けご依頼人宅へ伺いました。ご依頼人宅は高層マンションの最上階。不要な本はお知り合いの片付け業者さんが整理してくれる手はずになっているそうで、欲しいところだけ買取させて頂くという形になりました。
2つの部屋と廊下に大小12棹の本棚が並べられており、多くの蔵書家のお宅によく見られるように奥と手前の2重に並べられている本棚が半分ほどあります。部屋に設置された本棚は天板と天井の隙間に本が平積みされています。全部でおよそ5,000冊といったところでしょうか。
「震災のときに本棚がよく倒れなかったものだと思いますよ」
積み上がった本を見上げてご依頼人がため息を漏らしていらっしゃいます。天井まで少しの隙間もなく詰め込んだことでつっかえ棒の役目を果たしたのかもしれません。
ざっと見ていくと揃いものにニーズのあるものがたくさんありました。
宇井伯壽著の印度哲学研究
辻善之助 日本佛教史
新潮社ドストエフスキー全集
河出書房新社 須賀敦子全集
東京創元社 齋藤磯雄著作集
講談社 増補改訂版日本鳥類大図鑑
東京創元社能楽全書
岩波書店白秋全集
筑摩書房ヴァレリー全集は嬉しいことにカイエ篇までの大揃い
また、揃いもの以外にも
サガやエッダ、カレワラなどの北欧叙事詩に関するものに面白いものがありました。先にご紹介したインドのマハーバーラタやラーマーヤナなどの資料もあることから東西の伝承や民話にご興味があったようです。
児童書もかなり充実しており大型の絵本がまとまって出てきました。
目を凝らして本棚を見るたびにあちこちから様々なジャンルの良い本が顔を出してきて、ちょっとした発掘作業のような錯覚を覚えます。かなりの読書家でいらっしゃったことは一目瞭然ですが、女性の蔵書棚とは思えないような男性の読書家に好まれるような本も多いのが気にかかります。
そのあたりの感想をご依頼人に話すと、何年も前に先に他界されたお父様の蔵書も含まれているとのことで納得。ご夫婦揃って書物にはお金を惜しまない方だったようです。
買取代金をお支払した後、私が本を棚から拾い上げで荷造りし、妻が本を台車に載せてエレベーターで降ろして車に積み込むといういつもの流れでどんどん搬出。
あとで妻から聞いた話ですが、車に積み込む際ご近所の方達が寄ってきて
「◯◯さんのところの本?すごい量だったでしょ。どんな本があるの?」
と質問されたそうです。
さすがにどなたの蔵書か知られている以上、本の傾向はプライベートな事なので妻はお茶を濁したそうですが、お母様は生前、本に関するボランティア活動もされていたようでご近所でも有名な方だったご様子でした。
結局蔵書の半分ほどを買い取りさせて頂きました。
大切に扱わせていただくことをお約束し、ご依頼人宅を後にしました。
松尾堂は皆様のお宅まで本・雑誌・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・ふじみ野市・三芳町・川越市・新座市・志木市・富士見市・東大和市・武蔵村山市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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