2017-10-05
「またちょっといろいろなものが出てまいりました。たびたび恐縮ですがまた来て頂けますか?」
6月と7月に1度ずつ、他界されたお父様のコレクションの出張買取に伺ったご依頼人から三度目の要請がありました。
「あれ?前回は蔵の中まで見せていただいたのにまだ何か出てきたのかな?」
と思いつつ、あえてどんなものがあるのか質問せずに訪問の日をお約束しました。
何が出るかは当日のお楽しみです。
(青文字をクリックまたはタップしていただくと前回の様子をご覧いただけます)
本日お邪魔するといつものようにご依頼人姉妹がお出迎え。買取ご希望のお品もいつものように縁側から室内にかけて整然と並べられています。
「和箪笥を整理していたら中から出てきたんですよ、何度もお呼びして申し訳ありませんねぇ」
「いえいえ、また面白いものを拝見できそうなので楽しみにしてました」
と早速手にとって査定させていただくことにします。
最初に差し出されたのは1枚の和紙に貼り付けられた40枚の切手。
右上から発行年毎に並べられています。ヒンジで貼り付けてあることからわかるようにコレクターの方が作成したアルバムです。都内の古書店の領収書が一緒に添えてあるのでご依頼人のお父様が作ったものではなく、買い上げたもののようです。
竜切手(右上)は日本で最初に発行された切手です。明治4年に発行されたものは江戸時代から続く通貨の単位「文」で表示されていたことから竜文切手と呼ばれ、翌年発行されたものは「銭」に改められたため竜銭切手とも呼ばれます。その他の切手は桜切手。四隅に桜の図案があります。竜切手も桜切手も手彫りの銅版刷りのため総称して「手彫切手」と呼ばれ、コアなコレクターが多くいらっしゃいます。
手彫切手の他にも小判切手などが並んでいます。
戦前の絵はがきも大量にありました。
台湾・朝鮮・樺太の絵はがきや、路面電車・鉄道・飛行機などの乗り物の絵はがきに面白そうなものがありました。
また、地域ごとに小袋にまとめれられた各地の絵葉書もまとまった数量があり、欲しい方は見つかりそうです。
戦前の絵葉書だけで全部で800枚ほどありました。
こちらは宝くじ。
額装された鉄道・バスの回数券。
様々な席次表の中に昭和14年の貴族院議員議席表なるものがありました。
議席の前の方は「◯◯親王」「◯◯王」というお名前からもわかるように皇族の方、その後ろに江戸時代のお殿様の名字の方、さらに後ろが旗本の名字の方、と順番に並んでいるのが興味深いです。
「最後尾に吉田茂の名前がありますね」
「あらホントですね、こうやってみると面白いですね」
などとひとつひとつ手にとってお話ししながらなので今回も査定に時間がかかります。
他には長崎平和祈念像で知られる北村西望や江戸時代後期の画家谷文晁の掛け軸、
様々な紙もの・資料を買い取りさせて頂きました。
今回も量の割に結構な買取金額になりました。
「本当に今回できれいに片付いたと思いますが、万一また何か出てきたらまたお願いしますね」
「ぜひお願いします!」
とご挨拶しご依頼人宅を後にしました。
松尾堂は皆様のお宅まで本・雑誌・資料・紙もの・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・ふじみ野市・三芳町・川越市・新座市・志木市・富士見市・東大和市・武蔵村山市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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