2018-04-22
「倉庫を完全にきれいにする必要があってね、本を整理したいんですが来てもらえますか?」
というお電話を頂きました。社会系専門書や人文系専門書などが300箱あり、そのうちの100箱の買取を希望されているとのこと。
「もう退任しましたが長年大学で法律を教えていました。まだ駆け出しの頃ですから昭和40年代あたりの専門書が中心になります。専門書と言っても何分古い本ですからね、そんなに良い本はないとは思いますがよろしくお願いいたします。松尾堂さん、こういうの得意でしょ?」
お話のされ方から当店の買取ホームページをじっくりとお読みになっているのが伺えます。
「はい!おっしゃる通り大歓迎ですよ、楽しみにしています」
と電話口で何度も大きく首を縦に動かしながらご依頼を受けました。
ダンボール箱の大きさにもよりますが100箱といえばハイエース1回では運びきれない可能性が高い量です。さらに大学教授の蔵書とあれば値が張るものが多い可能性があるので、念のために途中のコンビニATMで出張買取用の財布に現金を補充し、お約束の場所へ訪問しました。
現地に到着するとご依頼人がにこやかに顔を出されました。倉庫と言っても天井にはたくさんの照明があり、窓や台所などもついていて人が住めそうな環境です。大きさも12坪ほどあり、その中にたくさんのダンボール箱が山積みになっています。箱の中は本が詰まっています。
「ごめんなさいね、箱の中を一つずつ開けてまだ必要な本とそうでないものをより分けていたら思っていたよりもはかどらなくて。今日は100箱はないですけど、そちらの壁側に持っていって頂きたい本を積んでおきました」
一見乱雑に積まれているようですが、本を見た瞬間に想像していた以上に良い本が多いことがわかりました。
一番手前に平積みになっているのがピッカピカの『キケロー選集』の全巻揃い。思わず口笛をヒューと吹いてしまいそうな本がありました。
その他にもさまざまなジャンルの専門書が惜しげもなく積まれており、お電話での説明からもっと渋い専門書ばかりを予想していたため驚かされました。
「ご専門は法学なのに、どうしてこんなにジャンルが広いんですか?」
「人文系の本はね、私の趣味で買ったものなんですよ。中学時代から神保町通いをしていて、手当たり次第面白そうな本を買っていました。法律の本は古くなっちゃうと欲しい人がいなくなるでしょ?でもそのあたりの本なら松尾堂さんも喜んで頂けると思ってより分けておきましたよ。」
お話を聞いてみると古今の古本事情に精通されていているのがわかります。
「キケロー選集は頑張ってお値段をおつけできますが、こちらの全集は最近ちょっと安くなっちゃったんですよ」
などと説明しながら査定をしていると
「はいはい、知ってますよ。この前古書店の前を通ったときに安い価格で売られているのを見ました。査定の方はそれなりで大丈夫ですから」
と、まだ本を整理しながらニコニコご返答されます。
このご依頼人なら、査定について何の説明も必要がなさそうです。
電話で伺っていたよりも需要がありそうな本が多く、期待していた5分の1ほどの量でもかなりの金額になりました。
今日お譲り頂ける分の査定額をお伝えすると目を丸くされて
「はい、うれしいです。」
と少々驚かれていました。
後日、
「あれから作業を続けていてまた少し整理できました。夜になりますがまた来てもらえますか?」
とお電話を頂きました。前回から6日後の夜8時にお伺いすると、倉庫には煌々と蛍光灯がついており、ご依頼人が腰にコルセットを巻きながら作業を続けていらっしゃいます。
「腰、大丈夫ですか?」
「なかなかはかどらなくてね、だいぶ腰に負担がかかるので巻いています。」
と笑いながら今日お譲り頂ける分の本を指さされます。
「今回のは大したことはない本もかなり混ざっていますからね、前回みたいに高くなくて良いですよ」
とお気遣いいただきましたが、量は先日の倍以上ありましたので、かなりまとまった金額をお支払いし、またまた喜んで頂けました。
松尾堂は皆様のお宅まで本・雑誌・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・ふじみ野市・三芳町・川越市・新座市・志木市・朝霞市・富士見市・東大和市・武蔵村山市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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