2018-08-03
「写真集など10箱分を出張買取に来ていただけませんか?」
というご依頼を受け東大和市のご自宅へお邪魔しました。
車を庭に停めさせていただくと玄関から柔和な笑顔の年配の男性が顔を出されました。今回のご依頼人です。1階リビングへ案内されるとフローリングの上にはすでにお売り頂く本が見やすく並べられています。吉田健一著作集や時代小説などがきれいに並んでいますが、お電話でもあったように写真集やイラスト集に面白いものが目立ちます。
篠山紀信写真集『オレレ・オララ』『晴れた日』
奈良原一高写真集『ジャパネスク』
三國清三料理の写真集『皿の上に、僕がある』
エルンスト・ハース写真集『ザクリエイション天地創造』
空山基イラスト作品集『VENOM』『ガイノイド』『トルクェーレ拷問』
一通り拝見していると、ボンデージ系、緊縛系のアート写真集が多いのに気が付きました。
「実は私、写真をやっておりまして、こういう系統の写真を中心に撮影しているんですよ」
お話を詳しく聴くと、ご依頼人はボンデージアートのプロカメラマンをされており、モデルさんを縛るのもすべてご自身で行うとのこと。
私の中での緊縛師・縄師というご職業の方は、眉間にシワを寄せてただならぬ雰囲気を醸し出している近寄りがたいイメージでしたが、ご依頼人はとても優しい印象でそのギャップに面食らいました。
査定後に買取代金をお支払いした後、コレクションの伊藤晴雨の貴重な資料を拝見しました。伊藤晴雨は責め絵、縛り絵で有名な画家です。伊藤晴雨が生涯描いた膨大な絵からインスピレーションを働かせて作品作りに活かすこともあるのだそうです。
「お時間ありますか?もしよろしければ私の作品をご覧になってください」と奥の部屋から大きく紙焼きされた写真をたくさん持ってきて頂きました。
息を呑むような写真ばかりで目を奪われます。一枚一枚時間をかけて丁寧に作品をお作りになっているのが素人の私にでもわかります。ご依頼人は毎年個展を開かれているそうで、ご依頼人の作品を楽しみにされている方は大勢いらっしゃるそうです。
写真をめくりながら、「モデルさんはどのように募集するんですか?」「撮影場所はどう手配されているんですか?」「撮影にはどれくらいの時間がかかるんですか?」などと質問攻めの私にも快くお答え頂くご依頼人。面白いエピソードなどもお話しいただき、仕事そっちのけになってしまいました。
縛り、というと荒縄のイメージですが、ご依頼人の写真はストレッチフィルムやチェーン、伸縮テープやカラビナなどいろいろな素材を使って縛り上げています。
「これらの道具はどこで手配されるんですか?」
「普通にホームセンターに行って調達していますよ」
というご回答に、ホームセンターで物色しているご依頼人を想像して吹き出しそうになってしまいました。
ある写真を見て「おや?どこかで見た部屋だなぁ?」と首を傾げていると数秒経ってこの部屋の床や壁と同じ素材であることに気が付きました。
「そうです。この写真はこの部屋で撮影したんですよ。ほら、あの天井の隅を見てください。あそこに縄を引っ掛けるんです」
と指さされた方を見ると天井にフックが固定されていました。
「こんな住宅地の中でも撮影しているとはびっくりです」
「ご近所の方も知らないと思いますよ」
といたずらっ子のような笑顔でお答えになるご依頼人にまたまた吹き出してしまいそうになりました。
松尾堂は皆様のお宅まで本・雑誌・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・ふじみ野市・三芳町・川越市・新座市・志木市・朝霞市・富士見市・東大和市・武蔵村山市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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