私立大学図書館蔵書約5万冊をまるごと除籍買取しました
2018-07-23 ~07-27
資源リサイクル会社の社長さんからお電話を頂いたのは7月19日木曜日の朝。
「本の買い取りをお願いできますか?今、数年前に閉校になった大学にいます。来月校舎の取り壊しがあり、その前に大学の図書館の蔵書を全部持っていってもらえないでしょうか?」
学園側の承諾は得ており およその冊数は1万冊とのお話。車で片道90分ほどかかりそうですがそれを考慮してもお断りする理由などありません。二つ返事でお受けしました。
「今日から搬出できるのだろうか?」
「1万冊という数量は大学図書館にしては少なすぎる。多分もっとあるんじゃないかな?」
などと詳細についてはわからないことばかりですが、一応買取道具を荷台に、妻には助手席に乗ってもらいおっとり刀で現地へ急行。
校舎の前に車をつけ、現場で陣頭指揮をとっていらっしゃる社長さんとご対面しました。
学園側の依頼を受け、来月から解体屋さんが作業を始める前に非鉄金属類などリサイクルできるものを取り外しているそうで、図書館の本はそのまま捨てるのは惜しいため当店に声をかけて頂いたそうです。
早速図書館館内をチェック。1階で高低差がほとんどないため運び出しに大きな障害はありません。その上、ガンガンにエアコンが効いていて熱中症の心配は少なそうです。これは大変助かります。
また、本棚と本棚の間がかなり余裕があり、作業性はかなり良いときています。
もちろん大学図書館ですから専門書の割合が高く、内容も申し分ありません。
特に理工書や言語学、文学関連に面白そうなものが多いですが、図書館だけあってほぼ全てのジャンルを網羅しています。ざっと数えてみるとこのフロアには3万冊ちょっとの蔵書。
「ハイエースで何往復かな?アルミボディの大きなトラックを手配しようか。」などと思案していると社長さんが
「実はまだあるんですよ・・・」
と半地下を案内してくれました。
そうでした。図書館には開架されている蔵書と閉架されている蔵書があり、場合によっては閉架蔵書の方が多いことを2年前の県立旧浦和図書館除籍買取の際に痛感したことを思い出しました。
半地下には連結本棚が20列ほどならんでおり、本棚同士を背合わせにしたシマ全体がスライドするようになっています。こちらはざっと2万冊の蔵書。シマをスライドさせないと人が入ることができず、また、半地下のため階段が10段ほどあって台車を使うことができません。作業効率が非常に悪くかなり厄介です。
1階部分の約3万冊なら当店2名だけでなんとかなりそうですが、来週月曜日から月末までは日曜日を除くと8日間しかなく、これでは期間内に終わらない可能性があります。
「これは骨が折れるなぁ。ヤバイぞ・・・」
と内心思っていたところ、長年付き合いのある同業者がこの学園の出身者で、ここから車で30分ほど場所に事務所を構えていることを思い出しました。こちらの古本屋もご夫婦で出張買取をしており、大量の本を動かすことに慣れています。電話ですぐに現場に来てもらい、手伝ってもらうことになりました。
作業は学園側の最終回答を待って週明け23日月曜日から7月31日までに決定。この日は一旦事務所へ戻りました。
搬出初日の朝、社長さんから
「スミマセン、現場の関係で7月31日までではなく、今週末の28日までしか作業ができなくなりました。」
と通告がありました。2日減るのは正直苦しいですが、これは仕方がありません。
「わかりました、大丈夫ですよ」
と返事をすると、さらに社長さんからは恐縮されながら
「あと、毎日午後3時まででお願いしたいんですが・・・」
と追い討ちになる一言を頂きました。日が暮れるまでは作業を行う算段でしたからこの一言は強烈でした。
「ひえー、わ、わかりました。やれるだけやってみます」
とクラクラしながら、同業者に事情を伝え、作戦を練り直すことにしました。
初日は古本屋として欲しい本を片っ端から抜き取る作業をしました。
2日目からはそれに並行してトラックと人員を手配し、まだ世の中にたくさん残っていて古書価が低いものをトラックに積み込んでもらいました。これらは再生紙としてリサイクルされます。
期間中、延べ8台のトラックを投入。
古書価が高いものや、あまり見かけない珍しい本は私達古本屋がしっかりと持ち帰ります。
除籍本には蔵書印やラベルシールがあったり、函やカバーのない裸本が多いため売るのに苦労します。相場より価格を安めにしないと売れませんし、回転も非常に遅いです。
そのためもともと古書価が安いものやたくさん流通している本はこのままではずっと誰にも読んでもらえない可能性高いため、再生紙として転生させてあげるのがベターです。
除籍本に限ったことではありませんが、この見極めも古本屋の大切な仕事だと思っております。
除籍本でもニーズがあると判断した本は月曜火曜の2日間で搬出完了。
そして金曜日のお昼には全ての本の搬出を完了しました。
初日月曜日は熊谷市で国内観測史上最高記録となる気温41.1℃、当店地元の所沢市でも39.7℃という猛暑日で「一体どうなることやら」とあまり深く考えないように粛々と作業を進めましたが、全員元気にご依頼を完遂することができました。
松尾堂は図書館の除籍本・廃棄本も引き受けております。
これまで公立図書館や学校図書館、研究室、公益財団法人、ほか各種法人様からご依頼を頂いております。運び出しは全て松尾堂が行いますので、日常の業務を行っていただいている間に除籍・廃棄を行うことができます。ぜひご相談下さい。
【主な図書館の除籍事例】
私立高校図書館3500冊を除籍しました
旧埼玉県立浦和図書館 除籍図書を買取
松尾堂は皆様のお宅まで本・雑誌・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・ふじみ野市・三芳町・川越市・新座市・志木市・朝霞市・富士見市・東大和市・武蔵村山市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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