2017-01-16
「私は代理の者ですが、書道の本が本棚2つ分ぐらいあります。私どもでは価値がわからないので出張買取に来てもらえませんか?」
というお電話を頂きました。
詳しくお話を聞くと、日頃からご依頼人のお世話をされている方で、ご本人も当日はご自宅にいらっしゃるそうですが、今回の出張買取の手配は一任されているということでした。
本日お伺いすると電話を頂いた方と、ご依頼人がニコニコ顔で迎えて頂きました。電話の内容では要介護の方なのかな?と想像していましたが、かなりお元気。
「良い古本屋さんに来てもらいました。私と年が近すぎてもあまりうまく行かないし、かと言って若すぎても具合が悪い。丁度いい塩梅の、さわやかな方に買取りに来てもらえて良かったです」
と78歳になるご依頼人はサービス精神も旺盛なご様子。
きっと私がもっと年配でも若くても、順番を入れ替えてお話されていたことでしょう^^
引越しを控えていて書道の本を整理する必要がありご依頼いただいたそうです。
早速奥の部屋の本棚から拝見します。
まずは二玄社の『書跡名品叢刊』が目にとまります。
208冊揃っているか数を確認しようとすると
「それ、悪いんだけど5冊だけ抜き取っておきましたよ、この5冊はまだお手本で使いたいんです」
とご依頼人が反対側の壁の前にあるテーブルの上に置かれた本を指さされます。他にも書道大字典など数冊がキープされています。
「まだまだバリバリの現役なんだなぁ」と感心するのと「できれば全部揃いで買取したかった・・・」と古本屋としての本音が入り混じりますがこればかりは仕方がありません。こちらはなんとか自分で買い足すことにします。
それでも『敦煌書法叢刊』の方は全部揃い。
これらだけでも高額な買取額になります。
他の書道の専門書も粒ぞろいでかなり素晴らしい蔵書。
「この方は私の先生なんですよ」
と『西川寧著作集』を見ながらご説明されるご依頼人。この他にも西川寧の作品集や著作があちらこちらの棚に大切に保管されています。この流れで青山杉雨の書籍が散見されたり、中国書道の書籍がたくさんあるのも納得です。
一般的な書道の本の他にも、写仏・仏画・写経・篆刻の専門書もいたるところにあります。
「何か良いものはありましたかな?」
ご依頼人に尋ねられて
「何かどころではありませんよ、良いものばかりです」
と査定の結果をお伝えすると、
「おおー、そんなに!よかったねー◯◯ちゃん、引越し代が捻出できたね」
とお二人で冗談半分で笑いあっています。
ご依頼人は会社経営の傍ら、60歳代で大学に入学し、大学院までご卒業されたそうです。趣味の書道も現役。何年か前までは人にテニスを教えていたそうです。とてもアグレッシブでユーモアに溢れていらっしゃいます。
軽く本棚2棹以上ある蔵書を搬出しはじめるとご依頼人が
「悪いですがこれから私はデートがあるので失礼します。あとは◯◯ちゃんにおまかせしました」
と外出されてしまいました。
茶目っ気たっぷりのご依頼人でした。
ご依頼人宅から駐車場まで少し距離がありましたので台車で8往復。今回もなんとか載せきることができました。
書道専門書の出張買取は松尾堂へご相談下さい。店主のスケジュール次第では即日予約も可能です。
所沢市・狭山市・入間市・三芳町・川越市・新座市・東大和市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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