2016-09-30
初めてお伺いする出張買取先でご依頼人から
「地元の方だと安心だからね」
と当店を選んでいただいた理由を教えてもらえることがあります。
反対に知合いの片付け屋さんに聞いた話では、片付け業者さんの場合はあまり近所だと敬遠されて多少距離のある業者さんを選ぶ方が多いそうです。
古本の出張買取の場合でも地元を嫌う方がいらっしゃるかもしれません。所沢市・狭山市・入間市周辺にお住まいでそのような方は当店へはご依頼頂けないわけですからどちらが多いかは正直わかりません。
しかし、どんな人が家に来るかはやはり不安でしょうから「地元の人なら悪いことをすればすぐに噂は広まるし、ちょっとは安心だろう」と考える方のほうが多いのかもしれません。
今回のご依頼人はまさに「地元重視」の方。
ご依頼を頂いて訪問すると蔵書とご対面させて頂く前にご依頼人が座っている真ん前の椅子を勧められます。
机を挟んで1対1。まるで面接を受けているようです。机の左端には大判の揃いものが置かれてあり、ものすごく気になります。
「松尾堂さんは岩岡町だね。そうか。じゃあ家はどこ?」
「あぁ、あのあたりね。」
「所沢は長いの?」
矢継ぎ早の質問に少々戸惑いながら回答する私。
「よし、それでは本を見てもらおうか。」
面接の第一関門は通過したようです ^^;
先程から私の左手に置かれている大判の本はフランク・ロイド・ライト全集。アメリカの建築家で日本国内では帝国ホテルライト館を設計しています。
「私はこの人の作品が好きでね、時間がある時に取り出して眺めていたんだ。でももう後先を考えると誰かに託したほうがいいかと思ってね。誰かに譲ろうと思って周りに声をかけたんだが、こんな大きな本は誰も欲しがらないんだよ。それで誰かいい人はいないかと思って松尾堂さんを呼んでみた、というわけです。」
「だけど、あんまりな値段だったら所沢図書館にでも寄贈するつもりだよ」
笑顔ですが圧迫面接はまだ続いているようです ^^;
査定価格によってどうされるかはご依頼人次第ですが、それを聞いて査定価格を上下するということはありません。査定に集中するだけ。
出した結果をご依頼人に伝えると、
「うん?思ったより高いな。」
「よし、気に入った!じゃあ、この本は全部差し上げるから持っていってくれ!」
「これからが本番だ。これを査定してくれ」
思わぬ展開に戸惑う私。まだ面接は続いていたようです。
ご依頼人が奥から持ってきたのはこれもまた大判の揃いもの、
毎日新聞社発行の『皇室の至宝 御物』です。
「これは余程の人じゃないと譲れないよ。フランク・ロイド・ライト全集のお代はいらない。こちらもしっかりと査定して欲しい」
これは困りました。確かに良い本です。需要もあります。
が、査定価格としては先程のフランク・ロイド・ライト全集の方がかなり高くなります。
そのあたりの事情をご説明し、フランク・ロイド・ライト全集も皇室の至宝御物もそれぞれ買取代金をお支払いさせて頂きました。
ご依頼人は生まれも育ちも生粋の所沢で、かつて何期も所沢市会議員を務めていていらっしゃった方です。買取の話が済んだ後、所沢の歴史の話を中心に伺うことが出来、大変興味深く拝聴しました。
私の自宅周辺の歴史もいろいろと教えて頂き、長い間住んでいても知らないことばかりで勉強になりました。
「松尾さん、お酒はいけるクチなの?今度一杯やりましょう」
帰り際にこんな社交辞令を頂けるのですから面接は合格だったようです。
なかなかインパクトのあるご依頼人宅を後にし、事務所に戻りました。
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