2016-09-23
2016-09-24
お亡くなりになったご親族が大量の蔵書をお持ちだった場合には、遺品整理屋さんや片付け業者さんに見積を取る前に古本の出張買取を呼んだ方が良いかもしれません。今回はその具体例をご紹介します。
「大量の本があるのですが、出張買取に来て頂けませんか?」
1週間前の朝早くに電話を頂きました。
その日は午前中から大きな出張買取のご予約が入っていたのですが、ご住所を聞くと当店から15分ほどの場所。今から行って下見をするには充分時間があるため
「今から行きます!」
と、おっとり刀で駆けつけました。
お宅の中を拝見すると、まさに本だらけ。本棚の中はもちろん、床の上にも足の踏み場もないほど本が山積みになっています。
弁護士をされていたご依頼人のお父様の蔵書で古い法律専門書がほとんど。お父様はすでにお亡くなりになっていて、ご依頼人は遺品整理をしたいと考えているそうです。
1階の3部屋と2階の寝室にそれぞれ本棚があり、どれもぎっしりと詰まっています。
1階の和室にあったお花や俳句の本などに良いものがあり、洋室の一部の本棚に需要のある法律書がありますが、他は全体的にちょっとキビシイ。
量的には2日はかかります。おまけに家の前に車を停めておくことが出来ないという環境。
私が出した査定の結果は
「大変申し訳ありませんがお金はお支払いできません。本・雑誌などを全てきれいに片付ける代わりに無料で引取りという形でならお受け出来ます」
というもの。
本の搬出にかかる費用、持ち帰った後にスタッフ総出で仕分けるコストを考えた上での査定です。
ご依頼人に断られても致し方ありません。
がっかりされるかと思っていたのにご依頼人の返答は意外にも
「良かったぁー!ぜひよろしくお願いいたします。」
とものすごく嬉しそう。
「実は片付け業者さんに見積をお願いしたら◯◯◯万円という数字が出てきたんですよ。それはとても支払えないということで自分たち血縁者でなんとかやろうということになり、まずは一番障害になっている本を引き取ってもらえるところを探したんです」
というご説明を聴き納得しました。
これまで古本の出張買取に行った際、同じような案件で先々のご依頼人に片付け業者さんの見積価格を伺っていましたから大体の相場は知っています。
こういった業界は相見積りを取った場合、業者によって価格にかなり幅はありますが、高いからボッタクリかと言えばそうとも言えず、仕事の内容で判断をする必要があります。
が、今回の見積はちょっと高すぎかな?という印象。
多くの片付け業者さんは本はそのまま紙屋さんに持込んで目方で売ってしまいます。本の価値(需要の有無)は関係ありません。いちいち調べている暇などないので効率優先で全てリサイクルに回します。重くて搬出に手間がかかる本が大量にある現場はどうしても見積が高めになるのは仕方がないことなのでしょう。
新車が1台買えるような金額がただになったのですからご依頼人が安心されたのも無理はありません。
というような経緯で下見から1週間後、古本の無料片付けを開始。
大量の本をお持ちの方は本棚の奥と手前の2重に本を保管することがありますが、それはまだ序の口。それでも置ききれないと・・・
こんな風に本棚と天井の隙間に本を平積みします(しかも奥と手前の2重です)。
ここまでは年に数回は見る風景。
でもこちらの本棚は・・・
なんと。本とガラス扉の隙間にまで本が並んでいます。
これはかなり手強い現場です。
心を無にしてひたすら本を片づけて行きますが、時折り思わぬところから本が現れて呆然とすること数え切れず。草むらに潜む伏兵の攻撃にあったときはきっとこんな感じなのでしょう。
「本を整理してくれと言っても頑固で自分の考えを絶対に曲げない人だったからねぇ」
お父様は決して本を処分しない方だったようです。
どの部屋にも法律書は大量にありますが、桜の花に関する本も全ての本棚に保管されています。ご依頼人の話ではお父様はかなり桜の花がお好きだったようで、季節には日本全国を桜を求めて旅をしていたとか。
ご依頼人は「頑固者」と表現されますが、お父様の優しい一面を覗かせてくれる蔵書です。
伏兵の攻撃に何度も悩ませられながらも2日で整理完了。正確に言うとハイエースに積みきれなかったため3日目の朝も引取りに伺いました。
本がなくなりだいぶスッキリした室内をご覧になったご依頼人。
「これで随分と片づけがはかどりそうです。あとは身内でできるところまでゆっくり片づけます。本当に助かりました」
と御礼の言葉をいただきました。
今回当店は無料で片づけを引き受けましたが、需要のある本の割合が多い場合は当然買取代金はお支払いたします。
反対に、需要がある本の割合が少ないからと言って作業代金を請求することはありません(そのような場合は残念ながら買取をお断りさせていただいています)。
ご依頼人はこれからご親族で時間をかけて整理されるということでしたので片づけ業者さんにお支払することはなくなりましたが、もしこの状況でもう一度見積をとれば最初の金額より大幅に減額された数字が出てくるでしょう。
お金の問題だけではありません。片づけ業者さんは本をほぼ全てリサイクルに回してしまいますが、古本屋は需要のある本はしっかりとキープします。お亡くなりになられたご家族が大切にしていた蔵書ですからリユースされる方がお喜びになるのではないでしょうか。
蔵書がたくさんある場合、遺品整理の際は片づけ業者さんを呼ぶ前に(松尾堂に限らず)古本屋に声をかけてみてください。
その古本屋に当店をご指名いただければ今回のようにきれいに買取・片づけをお引き受けいたします。
遺品整理に伴う大量の本の整理にお困りの方は松尾堂へご相談下さい。荷造り・箱詰め・運び出しは一切不要、本棚にある状態から当店が搬出します。
皆様やご家族の蔵書は大切に扱い、欲しい方の手に渡すことが出来るよう最大限努力します。
大量の古本出張買取は松尾堂をご利用下さい。
出張買取の流れ (←クリックor タップ)
【最近の遺品整理出張買取の実例】
図書館並みの書庫、約12,000冊の遺品整理出張買取、埼玉県入間市
レゲエ関連書・幻想文学、15年前に他界されたご主人の遺品整理。埼玉県所沢市
社会科教師の遺品整理。社会系専門書・登山関連書など、埼玉県入間郡三芳町
古書店経営されていたお父様の遺品整理。絶版マンガ・空手関連他、埼玉県川越市
当店webサイトには 買取実績 というページがあり、松尾堂が日々行っている出張買取の 一部を紹介させて頂いております。
どのようなものを買取りしているのか
どのような感じで出張買取が行われているのか
どのような人物が出張買取におじゃまするのか
出来るかぎりイメージして頂きやすいように心がけています。
買取実績 (青文字をクリックまたはタップして頂くとご覧いただけます)
お時間のあるときにでもご覧頂ければ幸いです。