2016-08-04
「人文学系の専門書の出張買取をお願いしたいのですが、」
とお電話を頂いたときからこの出張買取は内容的にすばらしいものになるだろうという予感しかありませんでした。
具体的な書名タイトルが何冊か挙がり、冊数も300冊ほどとのこと。
確信に変わります。
当日はさいたま市緑区大門で行われる古書交換会に参加する予定でしたので、所沢市に拠点を置く当店にとっても都合の良い日程でした。
指定された住所へ訪問すると、たいへん穏やかで柔和なご依頼人にお迎え頂きました。玄関口に所狭しと本が平積みになっています。
ほぼすべての本に、紀伊国屋書店・ジュンク堂・リブロ・東京堂書店・三省堂・書泉などお馴染みの大型新刊書店のカバーがついたままです。
いくつかの山からサンプル調査的に本を抜き取ってみると、哲学書・心理学書・精神医学書・中世の歴史書・芸術書・セクシュアリティーなどの専門書ばかり。
みすず書房・青土社・晃洋書房・柏書房・藤原書店・各大学出版会などの堅めの出版社が発行した本が大半のようです。
書店カバーを外すのがじれったくなるほど興奮しているのを感じます。
いい本ばかりです。
「すごい本ばかりですね、お仕事で使用されたんですか?」
「いえいえ、趣味で集めたものなんですよ」
とご依頼人。10年ぐらいで集められたそうです。
「それでは本を拝見します」
と端から順に1冊ずつ査定させて頂きます。
書店カバーを外して本の外観を確かめ、奥付をチェック、書店カバーを元の状態に戻す、とやっているとかなり時間がかかります。それでも書店カバーのおかげで本の状態は新品に近いものばかりで内容も状態も素晴らしい。至福のひとときでした。
途中、パトカーのスピーカーから
「所沢ナンバーのハイエースの運転手サーン、車の移動をお願いしまーす」
とお呼び出しを受けるハプニング ^^; があり余計に時間がかかってしまいました。
文庫・新書も含めると全部で500冊ほど。
買取金額もかなりの数字になりました。
「こんな遠くまで来てもらってありがとうございます。まだもう少しですがこのような感じの本が残っているのでまた来て頂けますか?」
と控えめなご依頼人。
「この内容でしたらもっと遠くでもお伺いしますよ。ぜひお呼びください、楽しみにしています!」
とご挨拶し、ご依頼人宅を後にしました。
翌日、事務所に持ち込み、スタッフに書店カバーを外してもらいました。
この状態から、すべて紙カバーを外すと・・・
こんな感じに。
ピッカピカの専門書がたくさん並び、良い眺めです。
ありがとうございました。
哲学書・精神医学書・心理学書・芸術書・歴史書・理工書・建築学書などの専門書の出張買取は松尾堂へご相談下さい。
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