埼玉県川越市で古本買取。講談社の絵本,明治-昭和初期の新聞号外ほか
2017-07-10
本日古書の出張買取にお邪魔したのは先月「次もお願いします」とお約束頂いた川越市のお宅。
半年前に90代で他界されたお父様の蔵書買取の続きになります。
今回も居間と縁側に大量のコレクションが並べられています。ご対応いただいたのは今回もご依頼人姉妹。縁側からお邪魔して手前の方にあるものから精査していきます。
まずは『航空朝日』。
昭和15年の創刊号から昭和20年の最終号まで揃っています。前回お譲り頂いた『写真週報』や『科学朝日』もそうでしたが、終戦に向けて厚みがなくなり、紙質が粗悪なものになり、製本も雑になっています。外見だけでも当時の戦況や生活の様子を窺い知ることが出来ます。
これだけしっかりと残存しているのは貴重です。
近くには神風号に関する資料。
昭和12年に東京-ロンドン間の連絡飛行に成功した国産航空機で、太平洋戦争末期の神風特別攻撃隊に使用されていたものとは全く別の飛行機です。当時の新聞記事や記念品のようなものが1つの箱に納められています。
前回は鉄道関連の本や雑誌『科学朝日』の創刊号から60年分のバックナンバーをお譲りいただいていることからも乗り物や機械など技術関連に特にご関心があったことがうかがえます。
隣にあった紙箱を開けてみると、『講談社の絵本』が18冊現れました。
1冊だけお父様のお名前が裏表紙に書かれており、こちらはコレクションというよりはご自身が幼少期に買ってもらったものを保管されていたもののようです。昭和12年から15年発行のものなので年代的にも一致します。
今回も創刊号などを大量にお譲り頂きました。
アサヒグラフの創刊号などがきれいに箱に納められています。
少々変わったところでは井堂雅夫画による現代浮世絵『京都百景全集』も買い取りさせて頂きました。
特製の桐箱に100枚の京都の風景浮世絵が収蔵されています。ほとんど中を開けてご覧になってはいなかったようで新品に近い状態です。販売時の定価が50万円を超えるものでこれだけでかなりの査定額になります。
他にも江戸切絵図や戦前のアジア・国内の地図、戦前の教科書、軍事教練書、関東大震災の被災状況を伝える当時の資料・新聞・雑誌、大量の記念乗車券、映画ポスターなどなど全て挙げていけばキリがないほど様々なコレクションを査定させて頂きました。
これだけの量ですから気がついたときには査定を始めてから3時間ほど経過していました。
査定しながらそれにまつわる話や、お父様のエピソードなどを拝聴しながらでしたのであっという間の時間でした。
一旦買取の伝票を作成し終わったところで、
「古い新聞などは欲しい人はいるんでしょうか?まだたくさんあるんですが・・・」
とご依頼人からご質問を受けました。
「ちょっと見せて頂けませんか?」
とお願いすると、
「それではついてきてください」
と建物の奥へ案内されました。複雑な廊下を何度か曲がったところに厳重な鉄製の扉が開かれていてその奥は人が20人ぐらい入れるほどの大きな収納スペースになっています。
「え? 蔵ですか!?」
「はい。ここに父のコレクションが保管されていたんですよ」
と、にこやかにお話になるご依頼人。
蔵内の一角にダンボール箱がいくつか並んでいます。明治期から昭和初期の大量の号外と、昭和12年から20年まで年別に整理された朝日新聞です。
「父は特に号外を集めることに力を入れていました。号外は別にしてもこのような新聞はどうなんでしょうか?」
「ぜひ全て買取らせて下さい。欲しい方は必ずいます。」
とお願いし先程の買取の伝票を作成し直しました。
前回の買取もかなりの査定金額になりましたが、今回はさらにその数倍。この一年でもっとも高額な買取りになりました。
金額云々よりもこれだけのコレクションを引き受けた重責のようなものを、ひしひしと感じました。
今回も満載。
「大切に扱わせて頂きます。」
「ぜひ次の方に渡るようお願いします。」
とご挨拶し、ご依頼人宅を後にしました。
松尾堂は皆様のお宅まで本・雑誌・DVD・CD・ゲームなどを出張買取に伺っています。
書籍に関しては昨日発売された新刊本から江戸時代のものまで幅広く対応できます。
所沢市・狭山市・入間市・ふじみ野市・三芳町・川越市・新座市・志木市・富士見市・東大和市・武蔵村山市・東村山市であれば少量から、その他の地域は数量と内容によって直接お伺いし出張買取させて頂きます。荷造り・運び出しの必要は全くありません。本棚に収まっている状態でも大丈夫です。
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